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住宅ローンの残債がある住み替えは可能?住み替えローンの特徴と注意点

住替え

財田 紗月姫

筆者 財田 紗月姫

不動産キャリア31年

はじめまして。「街の不動産屋さん」株式会社アサヒコーポレーションの財田紗月姫(たからださつき)です。業界歴31年。賃貸・売買・住み替え・相続・売却まで、不動産のことなら何でもご相談ください。お客様に寄り添い、ご相談からお引渡しまで責任を持ってサポートいたします。「相談して良かった」と思っていただける対応を心掛けています。お気軽にご相談ください。皆様とのご縁を心よりお待ちしております。

住み替えを考えたとき、「今の家の住宅ローンがまだ残っているけれど、次の家を買うにはどうすればいいのだろう」と不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。実際、住宅ローンの残債がある状態でも住み替えを進める方法や、住み替えローンという仕組みを活用することで、多くの方が理想の住まいに近づいています。本記事では、住宅ローン残債があるときの住み替えの基本から、住み替えローンの仕組みや注意点、具体的な進め方までを分かりやすく解説します。安心して新たな一歩を踏み出すために、ぜひ参考になさってください。

(住み替え時に住宅ローンの残債がある場合の基本の理解)

まず、住み替えを検討される際には、現在の住宅ローンの残債と売却予定価格の関係をしっかり把握することが何より重要です。抵当権という、ローンの担保として設定される権利の関係で、住宅を売却するには残債を完済し、抵当権を抹消する必要があります。そのため、売却金だけでは残債を返しきれない「オーバーローン」の場合、住み替えを進めるには工夫が必要です。一方、売却金で残債を賄える「アンダーローン」の状態であれば、通常の住宅ローンの借り換えなどがスムーズに可能となります。

両者の違いを以下の表にまとめております。

項目アンダーローン(売却価格>残債)オーバーローン(売却価格<残債)
特徴売却金でローンが完済できる状態売却金だけではローンを完済できない状態
影響通常の住み替えが可能住み替えローンなどの対策が必要
重要性残債状況を把握して資金計画に役立つ不足分をどう補うかが住み替え成功の鍵

住み替えを着実に進めるには、まず今のローン残債と売却想定価格を比較し、ご自身の資金力と照らし合わせて現状を把握されることが大切です。

(住み替えローンとは何か、その仕組みとメリット)

住み替えローンとは、いま住んでいる住宅のローン残債と、新しい住まいの購入資金をひとまとめにして借りる仕組みのローンです。通常の住宅ローンでは、旧居のローンは完済しなければならず、自己資金が足りないと住み替えが難しくなるケースがあります。しかし住み替えローンを使えば、残債と新居の資金を一度に借りられるため、資金不足でもスムーズに住み替えが可能になります(金融機関によっては「買い替えローン」とも呼ばれます)。

住み替えローンを利用する最大のメリットの一つは、自己資金を大幅に抑えながら住み替えができる点です。売却額がローン残高を下回る「オーバーローン」の場合でも、不足分を含めて新居の費用とともに借りられるので、手元資金が少ない方でも住み替えが実現できます。

また、旧居の引き渡しと新居の決済を同日に行うケースが多いため、「仮住まい」が不要になり、仮住まいの家賃や敷金・礼金、転居費用などの余分な出費を抑えることができます。こうした点が、住み替えの負担を大幅に軽減する大きなメリットとなります。

主なメリット内容
自己資金の負担軽減旧居のローン残債と新居費用をまとめて借りられる
仮住まいが不要旧居売却と新居購入を同時進行でき、余計な出費が減る
ローンの一本化旧居と新居のローンをまとめるため、返済管理が簡単

住み替えローンを使えば、仮住まいが必要なく、かつローンが二重にならずにすむため、転勤や家族構成の変化など、急いで住み替えたい方にも適した選択肢といえます。

住み替えローンのデメリットと注意点

住み替えローンには便利な点が多い反面、利用にあたっては慎重な判断が不可欠です。以下に主なデメリットと注意点を分かりやすく整理しました。

項目 注意点の内容 影響
金利の上昇 一般の住宅ローンと比べて金利が高めに設定される傾向があります。 総返済額が増え、返済負担が大きくなります。
審査の厳格化 借入額が大きくなるため、金融機関による審査がより厳しくなります。 審査に通りにくくなる可能性があります。
スケジュール調整の難しさ 旧居の売却と新居の購入を同日に決済する必要があり、日程調整が困難です。 予定通りに進まないと仮住まいなどの追加費用が発生する可能性があります。

まず、金利についてですが、住み替えローンは一般の住宅ローンと比べて優遇金利が適用されないことが多く、結果として金利2~4%ほどと高めになる場合があります。これは、売却による担保価値が下がり、金融機関がリスクを感じるためです。

次に、審査の厳しさも重要な注意点です。借入額が大きくなることで、金融機関は返済能力をより厳密に判断する必要があり、結果として年収や勤続歴、他の借入状況などが通常よりも重視されます。金融機関によっては滞納の有無や返済実績も評価の対象となります。

さらに、スケジュール調整についても注意が必要です。住み替えローンでは、売却によって得られる資金で旧居の住宅ローンを完済し、新居の購入を同時に進めるため、決済日を同日に合わせる必要があります。そのため、多くの関係者(売主・買主・金融機関・司法書士など)のスケジュール調整が必要で、タイミングが合わないと手続きが遅延し、仮住まいや二重ローンなど追加の負担が生じる恐れがあります。

これらのデメリットを踏まえたうえで、利用を検討される際には、金利や審査基準、スケジュール対応力のある信頼できる金融機関を選び、早めに準備を進めることが重要です。

住み替えの具体的な進め方と選択肢の比較

住み替えを検討している方にとって、まず大切なのは「売り先行型」「買い先行型」「賃貸(貸し先行型)」の三つの住み替えパターンの特徴を理解し、ご自身の資金やライフプランに合った進め方を選ぶことです。次に、売却益がある場合に使える「3,000万円特別控除」、損失が出た場合に適用できる「譲渡損失の損益通算・繰越控除」、さらに「買い替えの特例」といった税制特例の活用も重要です。これらを総合的に見て、ご自身の残債・資金状況・税制メリットを踏まえて判断することがカギとなります。

以下に三つの住み替えパターンと税制特例について、比較表を用いて整理します。

住み替えパターン 概要 メリット・注意点
売り先行型 旧居を先に売却し、資金を確保してから新居を購入する方法 自己資金を把握しやすいが、仮住まいや引越しの負担が増える可能性があります。
買い先行型 先に新居を購入し、後から旧居を売却する方法 引越しのタイミングがスムーズですが、資金調達やローン調整が難しくなることがあります。
賃貸(貸し先行)型 旧居を一時的に賃貸に出して資金を得てから住み替える方法 売却まで時間を稼げますが、賃貸管理や収益リスクについて対策が必要です。

さらに、旧居の売却において利益が出た場合は、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」が利用できます。この特例により、譲渡所得から最大3,000万円まで控除でき、譲渡税がかからないケースもあります。適用には要件があり、売却物件が居住用であることや、売却先が親族でないことなどが条件となります。住まなくなってから3年目の年末までの売却が対象です 。

一方で譲渡損失が出た場合は、その損失分を他の所得から差し引ける「譲渡損失の損益通算および繰越控除」の特例を活用することができます 。

また「マイホームの買い替え特例」は、売却時の譲渡所得に対する課税を将来の売却まで繰り延べる制度で、要件を満たせば税負担を後に先送りできます 。

これら税制措置の活用にあたっては注意点があります。特に「3,000万円特別控除」と「住宅ローン控除」は併用できません。どちらか一方を選ぶ必要があり、それぞれの節税効果をシミュレーションした上で判断することが重要です 。

まとめると、ご自身の残債状況や資金余裕、売却益の有無、税制メリットなどを総合的に考慮し、どのパターンを選ぶかを慎重に判断する視点が大切です。そして、どの制度を利用するかによって手続きやスケジュール調整も異なるため、専門家と相談しながら進めることをおすすめします。

まとめ

住み替えを検討する際は、現在の住宅ローン残債の状況をしっかり把握することが何より大切です。住み替えローンは、新居の購入と旧居のローン残債を一本化できる便利な選択肢ですが、金利や審査など特有の注意点もあります。それぞれの住み替え方法や税制メリットをよく比較し、ご自身の資金状況に最適な方法を選ぶことで、安心して新しい暮らしへ第一歩を踏み出すことができます。今後の選択を焦らず着実に進めましょう。

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